建築家の考える家 と 映画監督のいない映画

新年のあいさつもできず、間もなく1月が終わってしまうところでした。改めまして、本年も人・建築設計所をよろしくお願いいたします。

さて、初頭ということもあり、まずは首記のようなテーマでスタートいたします。日本で知られている建築家では、たぶん安藤忠雄さんが有名で一般の人でも聞いたことがあると思いますので、例に出させていただきます。

では、建築家・安藤忠雄さんのどこが優れているのか、わかりますか?ただカッコいいとか、ネームバリューがあるとか、喋りが面白いとか、顔に雰囲気あるねとか、そういうことではないのです。

安藤忠雄さんの優れている点は、建築を深く学び、熱心に研究し、多くの建築現場を経て工夫や気づきがあって、じっと毎日考えたり感じたりして、たどり着ける視点の高さなのです。具体的なことではないので、つかみどころがないかと思いますが、世間の方の考える建築の良さは、例えば素材や性能の良さといった計測しやすいスペックや、間取りの良さや使い勝手の面などですが、これとは、全く異なる次元の話なのです。

たとえば、安藤建築の評論家が書かれている文章を熱心に読み、ご本人の書かれているものも参考に、安藤忠雄さんのような建築をつくろうと思っても、安藤忠雄さん抜きでは安藤建築はできません。当たり前だろ!といわれそうですが、このテーマである「建築家の考える」ということが、手掛かりになると思います。

では質問です。住宅、作ったことありますか?倉庫でもいいです。そこにどんな思いを込めていますか?そもそも、その土地にどんなのが建てられますか?、、、このような質問をすると、とたんに不安になりますし、癪に障り面白くないですね。

建築会社は、経験も豊富だし、現場も経験してます。工務店や大工さんも、同じですよね。でも、建築家の考える家や建物にはならない。ハウスメーカーやゼネコンでも、その視点にはなりません。(建築家と建てる家というメーカーは、だれその建築家?と思います、、汗)

ゼネコンで優れた設計部を持っているか、優秀な設計事務所でしか、その視点には到底立つことが難しく、普通には建てられない建築が、建築家が考える家や建物なのです。

具体的にどんな家?というのが難しいですが、「映画監督がいない映画」のような家や建物が世の中にいっぱいあるということに、これをきっかけに気付いてほしいです。

モデリングによる立体空間の検証の重要性

図面ですべての整合性を検討して、良いプランができた時、設計図を説明されても、理解するのは難しいです。

実際、立体空間まで感じるのは、プロであっても難しいことで、以前は模型を作ったり、手描きのパースなどで表現していました。

人・建築設計所では、大規模な建物を計画することもあり、全ての場面を確認して手を入れてきました。

そのために3Dモデルを使って、検証して設計を進める作業が重要と考えています。

これはフルスペックでカスタマイズできる住宅や邸宅にも必要な作業であり、それがお客様との共通の認識に繋がるモノと考えています!

個人住宅で、ここまで確認して進めることで、より心地の良い空間、建物となっていきます。

店舗と住宅

浜松市冨塚に整体院とフェイシャルエステのお店がオープンします。

高低差が1.8メートルほどもある敷地で、かなり長い坂の一番下にあり、川沿いの道と橋が複雑に交わった交差点に当たり、店舗として必要となる駐車場の確保が大変難しい敷地でした。

土地を活かすためには造成をするのではなく、基礎を使って、高低差を吸収するのですが、この地階になる部分の位置関係が大変重要で、コストに大きくかかわってきます。

実は、とあるゼネコンで大監督といわれ、定年を過ぎて隠居をしているKさんに、地下工事の際のコストダウン方法の教えを請うたのですが、Kさん曰く「そんなのはない」と一蹴。

「それよりも、設計の工夫でできるコストダウンがあるんじゃないか」

という言葉にヒントを得て、編み出した地下設計の手法です。
こうした考え方で、コストマネジメントした設計に変更し、バイク用のガレージも実現するに至ったわけです。

もちろん住宅と店舗の併用ですので、どのようにプライバシーを確保するかも重要な要素でした。
エントランスや階段室の作り方に工夫があったりします。

そうして完成した建物は、こうした苦労を1ミリも感じさせない、素敵な空間を得ることができました。
季節により様々に変わる川沿いの景色を取り入れながら、穏やかで守られた安心感の高い店舗と住宅ができました。

こちらの店舗兼住宅の完成邸見学会をお施主さまのご厚意で開催することができます。

2025年6月14日土曜日と15日日曜日の2日間。
1日3組限定でのご案内となります。

ご希望の方は、ホームページのお問い合わせからご連絡ください。

ご見学の方から、ご感想をいただけました。

気に入った点、凄いなと思った所は、やはり敷地形状、土地の特徴を活かした建物の設計です。(家族用玄関上の窓や、外の景色、季節の風景を眺められるベストな場所に窓を作りながら外からの気になる目線はしっかり避けた位置)

床材の色やキッチン周りもホテルライクなインテリアで気に入りました。
ダウンライトの配置も長年やっているからこそ分かる事だと思いますし、ライトによる空間演出もとても良い、凄いなと思った部分です。

薄暗くなった時に伺うとまた違う良さが見れたと思います!
一人一人の理想を枠にとらわれず どうすれば出来るのか?を最大限に 長期の実績やとにかくお客さまの理想に とことんこだわり抜いて形にされているのが 改めて素敵だなと感じられる建物でした✨

お家を建てたいこちら側の見えてる理想や利便性などの視点とプロから見る視点は比べ物にならないほど違うのは当たり前として 限られた選択肢から選ぶ お気に入りが見つからない場合は半妥協 なチョイスにならざるを得ない 世界だと感じていたので 一生のうちでの最大のお買い物に匹敵する マイホームは住み出してからの後悔を よく耳にするけれど お話を聞いていく中で ここならこちら側の気付けない 暮らしのイメージもさせてもらえる安心 を感じられたこと

他の会社さんではあまり見られないような 提案をしてもらえるアイデアの引き出しや アイテム数の幅広さ、設計から建築中の配慮も全部含めて信頼に繋がりました!

とにかく 情の熱い方で 一つ一つの携わった案件に対しての 真心を感じられるのが 是非お願いしたいと思える 内覧会になりました。 丁寧な対応と説明を ありがとうございました😊

こちら動画でもお話しいただけました。
リンク先のYouTubeをご覧ください。

阪神淡路大震災から30年

阪神淡路大震災から30年、、、あの日の早朝の揺れは、東京・新宿の工学院大学新宿校舎の21階で迎えました。

いわゆる長周期の振動は、高層ビルをゆっくりと大きく揺さぶり、遊園地の魔法のじゅうたんのような揺れを経験しました。

約25万棟の住宅を全半壊し、交通網もマヒした状況が分かっていくにつれ、当時、大学院で建築学を学ぶものとしてモヤモヤしたものがありました。

そのモヤモヤが解消されるまでには、5年ほどかかりました。

というのも、当時「新耐震基準」で建築された木造住宅の多くが、倒壊・大破損など、甚大な被害を受け、多くの犠牲者を出していたからです。

建築基準法は、人命を守る法律と学んでいたため、全く役に立たないものを学んでいたという気持ちもありました。

2000年6月に、阪神淡路大震災の事実をもとに建築基準法の法改正「新・新耐震基準」が施行され、今に至っています。

2000年5月以前に確認申請を通した住宅にお住まいの方、この機会に耐震について考えていただければと思います。

ヌックな空間が気持ちいい、極上の寝室が完成

区分マンション・リノベーションで、寝室周りを大改造。
もともと寝室と書斎の2部屋だったものを1つにまとめて、クローゼットも撤去。

廊下との間仕切り壁を全面壁面収納とし、別室の物置をWIC(ウォークインクローゼット)にして、収納力アップした上に洗濯物の動線も変化。

梁型が複数交差した天井部分をフラットな低天井としたことで、ヌック(小さなくつろぎスペースを作り出すこと)なスペースが気持ちの良い、極上の寝室空間が生まれました。

こちらの区分マンション、実はLDKと水回り一式のリノベーションは弊社で完成し、6年前にお引渡済みでしたが、寝室もやりたい!と熱いご希望でリピートしていただきました!

こちらの家具も、Macintosh classicも、絵画も写真も!お人柄や大切にされているものが一目でわかる、とても素敵な空間となっていました。

好きなものに囲まれる豊かさ。

本当に素晴らしいことです。

洗濯物の動線

住宅にWIC(ウォークインクローゼット)が計画されるようになって、各個室への洗濯物の移動がなくなり、家事は楽になりました。

しかし、もっと楽な方法があるのです!!

ランドリールームとサンルーム、さらにはバルコニーが、浴室とつながることで、洗濯物動線が集約し、その場がさらにクローゼット的役割を担うと、WICへの移動もなくなり、季節物の移動のみとなって、時短にもなり、タイパの良さは最高の状態になります。

洗面台を挟んで左が浴室、右がランドリー、ランドリーの外には物干し専用のテラス、その手前にWIC。

こうしたプランは、洗濯物の動線を考え抜いてできました。
この前段階には、これにさらにWICがくっつく複雑なパターンもあります。
こちらの方が良いケースもあり、どちらで行くかは、その土地の条件やお客様の趣向で決めていきます。

こうしたプラン研究の積み重ねが、良い家の暮らしとなっていきます。

住宅作家と言われる所以(ゆえん)でもあります。

都市木造の可能性

浜松市内に現在建てている106坪の事務所

都市木造という言葉はまだ一般には耳馴染みがないですが、500㎡を超えない2階建てであれば、どの用途でも割合に木造でも建てやすい規模の建築をいいます。さらに大きなものは大規模木造ともいいます。

さて、この都市木造の規模は、街の至る所にあり、今まで建設会社が得意としていた規模で、どうしても彼らが得意な鉄骨造で安易に建てられていました。
しかし、そういった規模であれば、木造が一番コストも安くいく可能性もあり、国も森林資源の活用を考えて、補助金を使って誘導を行なっていたりもします。

しかし、この補助金にも良し悪しがあり、一概にそれを支持はしませんが、もし計画中の建物があれば、その計画を木造でできないか検討する価値はあります。

浜松市内の木造で作った工場兼店舗

例えば工場のように大空間であれば、柱を最小限に抑えたいとしても、こうした梁を使って作ることが可能です。コンビニや老人介護施設、医療施設などでも木造の採用率が上がっています。

事務所や事業所が木造と主張するかしないかは自由ですし、デザイン的にも鉄骨造のように見せることも可能です。

ストックホルム中央駅(1925年)も木造の集成材でつくられている

さて、木造が今世界的に注目されていますが、その歴史は古く100年前の木造の駅舎が残って現在も使われているのが、この写真のストックホルム中央駅。集成材現しに白い防火塗料を塗っています。

もっと言えば日本にはおよそ1300年前の世界最古の木造建築が残っています。この温暖多湿な島国でこれほどの期間残るということが証明されています。

唯一火災の心配がありますが、それは木造でも適切に設計・施工することで、むしろ鉄骨造の燃焼温度が上がった時に強度がなくなるという現象よりも、炭化層ができてそれ以上燃えずに強度が下がらない木造の方が、安全な燃え方なのです。

木造の技術、まだまだ面白い技術革新が出てくる分野です。注目して見てください。

タイニーハウス・デザイン・コンテスト

長崎県西海市のブランド化事業のお手伝いをこの2年間させていただいておりまして、いよいよそれが一つの形へと進みました。

ちょうど昨日、そのページが公開されましたので、リンクを貼ります。

YADOKARI SAIKAI TINY HOUSE CONTEST 2023

内容としては、タイニーハウスのデザインコンテストを開催することになり、全国・全世界からデザインを集め、グランプリとなったデザインで、実際に建設をして活用をするというものです。

私の役割は審査員となります。

先日12/11、その審査員メンバーと顔合わせと、内容のすり合わせを行いました。

実際に建てる場所を確認して行き、今後3年間にわたって同様のコンテストを3回行う下準備として、候補地を視察し、意見を交わしてきました。

この2年で、西海市から基調講演に招かれたり、WEB会議を通じて話していたことが実ったので、新たに招かれた他の審査員へもタイニーハウスのコンセプト部分やその立地について、より深いお話ができました。

これを見た皆さんに、ぜひコンテストに応募いただけたらと思います。
幼稚園児からプロフェッショナルまで、垣根なくご応募いただけます!

山形県金山町を訪れて 2

前回の投稿からだいぶと時間が経ってしまいましたが、つづきです。

金山町は金山杉で有名な町。

美林があるとのことで、森林組合の方にご案内いただけた。

雪のある中、ここまでしっかりと育つにはかなりの知恵が必要と想像できる。

手法の一つと云われた土俵植えについては、文献もなく、その研究もなされていないという。

後世に残せるか、何かしら取り組まれるとのことで、注目してみたい。

しかし、森林行政にはいろいろ問題があり、今後日本の山林は、農業同様心配な面がある。

さて、町場に戻り、製材工場の見学。

非常に目の詰んだ良材を見ることができるが、レイティングやトレーサビリティまでは、対応できていない様子。

すばらしい良材があっても並材と混ざってしまう。

もし山を指定して切り出す際には、全ての作業をそのために止めてしまうことになりかねないので、厳しい面がある。

有名な産地であっても、これが現在の日本の山の限界と思われる。

山形県金山町を訪れて 1

山形県金山町で、先週木金と建築の集まりがあり、出掛けてきました。

まずは、建築家、都市計画家が関わり、100年先のまちづくりを目指し、すでに40年が経過しているという町並みを見学しました。

幸いにもガイドに元金山町職員で、中心となって動いていた西田さんがついてくれて、直接、詳しいお話をお聞きすることができました。

構造計算、建築確認や他の行政の対応など、実務的に役に立つ情報を聞けました。

解説などは省きますが、まずは初日の街歩き。秋晴れです。

山形県金山町の中学校は、故・奥村昭雄東京藝術大学名誉教授の作品であり、代表の髙橋貴大がOMソーラーを知るきっかけとなった建築です。

つまり、浜松市に住み、浜松で設計事務所をやることになった大元ともいえます。
(OMソーラーは、浜松市が本社)

今回、念願叶って見学することができました。

竣工からちょうど30年を迎えて、建築としてはその半生まで来ている段階。

現地で、東京藝術大学名誉教授の益子義弘さんの解説を聞くことができました。

益子義弘さんとは、遠くフィンランドの地でご一緒させていただく機会があり、今回、改めてご挨拶させていただきました。