ヌックな空間が気持ちいい、極上の寝室が完成

区分マンション・リノベーションで、寝室周りを大改造。
もともと寝室と書斎の2部屋だったものを1つにまとめて、クローゼットも撤去。

廊下との間仕切り壁を全面壁面収納とし、別室の物置をWIC(ウォークインクローゼット)にして、収納力アップした上に洗濯物の動線も変化。

梁型が複数交差した天井部分をフラットな低天井としたことで、ヌック(小さなくつろぎスペースを作り出すこと)なスペースが気持ちの良い、極上の寝室空間が生まれました。

こちらの区分マンション、実はLDKと水回り一式のリノベーションは弊社で完成し、6年前にお引渡済みでしたが、寝室もやりたい!と熱いご希望でリピートしていただきました!

こちらの家具も、Macintosh classicも、絵画も写真も!お人柄や大切にされているものが一目でわかる、とても素敵な空間となっていました。

好きなものに囲まれる豊かさ。

本当に素晴らしいことです。

洗濯物の動線

住宅にWIC(ウォークインクローゼット)が計画されるようになって、各個室への洗濯物の移動がなくなり、家事は楽になりました。

しかし、もっと楽な方法があるのです!!

ランドリールームとサンルーム、さらにはバルコニーが、浴室とつながることで、洗濯物動線が集約し、その場がさらにクローゼット的役割を担うと、WICへの移動もなくなり、季節物の移動のみとなって、時短にもなり、タイパの良さは最高の状態になります。

洗面台を挟んで左が浴室、右がランドリー、ランドリーの外には物干し専用のテラス、その手前にWIC。

こうしたプランは、洗濯物の動線を考え抜いてできました。
この前段階には、これにさらにWICがくっつく複雑なパターンもあります。
こちらの方が良いケースもあり、どちらで行くかは、その土地の条件やお客様の趣向で決めていきます。

こうしたプラン研究の積み重ねが、良い家の暮らしとなっていきます。

住宅作家と言われる所以(ゆえん)でもあります。

都市木造の可能性

浜松市内に現在建てている106坪の事務所

都市木造という言葉はまだ一般には耳馴染みがないですが、500㎡を超えない2階建てであれば、どの用途でも割合に木造でも建てやすい規模の建築をいいます。さらに大きなものは大規模木造ともいいます。

さて、この都市木造の規模は、街の至る所にあり、今まで建設会社が得意としていた規模で、どうしても彼らが得意な鉄骨造で安易に建てられていました。
しかし、そういった規模であれば、木造が一番コストも安くいく可能性もあり、国も森林資源の活用を考えて、補助金を使って誘導を行なっていたりもします。

しかし、この補助金にも良し悪しがあり、一概にそれを支持はしませんが、もし計画中の建物があれば、その計画を木造でできないか検討する価値はあります。

浜松市内の木造で作った工場兼店舗

例えば工場のように大空間であれば、柱を最小限に抑えたいとしても、こうした梁を使って作ることが可能です。コンビニや老人介護施設、医療施設などでも木造の採用率が上がっています。

事務所や事業所が木造と主張するかしないかは自由ですし、デザイン的にも鉄骨造のように見せることも可能です。

ストックホルム中央駅(1925年)も木造の集成材でつくられている

さて、木造が今世界的に注目されていますが、その歴史は古く100年前の木造の駅舎が残って現在も使われているのが、この写真のストックホルム中央駅。集成材現しに白い防火塗料を塗っています。

もっと言えば日本にはおよそ1300年前の世界最古の木造建築が残っています。この温暖多湿な島国でこれほどの期間残るということが証明されています。

唯一火災の心配がありますが、それは木造でも適切に設計・施工することで、むしろ鉄骨造の燃焼温度が上がった時に強度がなくなるという現象よりも、炭化層ができてそれ以上燃えずに強度が下がらない木造の方が、安全な燃え方なのです。

木造の技術、まだまだ面白い技術革新が出てくる分野です。注目して見てください。

タイニーハウス・デザイン・コンテスト

長崎県西海市のブランド化事業のお手伝いをこの2年間させていただいておりまして、いよいよそれが一つの形へと進みました。

ちょうど昨日、そのページが公開されましたので、リンクを貼ります。

YADOKARI SAIKAI TINY HOUSE CONTEST 2023

内容としては、タイニーハウスのデザインコンテストを開催することになり、全国・全世界からデザインを集め、グランプリとなったデザインで、実際に建設をして活用をするというものです。

私の役割は審査員となります。

先日12/11、その審査員メンバーと顔合わせと、内容のすり合わせを行いました。

実際に建てる場所を確認して行き、今後3年間にわたって同様のコンテストを3回行う下準備として、候補地を視察し、意見を交わしてきました。

この2年で、西海市から基調講演に招かれたり、WEB会議を通じて話していたことが実ったので、新たに招かれた他の審査員へもタイニーハウスのコンセプト部分やその立地について、より深いお話ができました。

これを見た皆さんに、ぜひコンテストに応募いただけたらと思います。
幼稚園児からプロフェッショナルまで、垣根なくご応募いただけます!

山形県金山町を訪れて 2

前回の投稿からだいぶと時間が経ってしまいましたが、つづきです。

金山町は金山杉で有名な町。

美林があるとのことで、森林組合の方にご案内いただけた。

雪のある中、ここまでしっかりと育つにはかなりの知恵が必要と想像できる。

手法の一つと云われた土俵植えについては、文献もなく、その研究もなされていないという。

後世に残せるか、何かしら取り組まれるとのことで、注目してみたい。

しかし、森林行政にはいろいろ問題があり、今後日本の山林は、農業同様心配な面がある。

さて、町場に戻り、製材工場の見学。

非常に目の詰んだ良材を見ることができるが、レイティングやトレーサビリティまでは、対応できていない様子。

すばらしい良材があっても並材と混ざってしまう。

もし山を指定して切り出す際には、全ての作業をそのために止めてしまうことになりかねないので、厳しい面がある。

有名な産地であっても、これが現在の日本の山の限界と思われる。

山形県金山町を訪れて 1

山形県金山町で、先週木金と建築の集まりがあり、出掛けてきました。

まずは、建築家、都市計画家が関わり、100年先のまちづくりを目指し、すでに40年が経過しているという町並みを見学しました。

幸いにもガイドに元金山町職員で、中心となって動いていた西田さんがついてくれて、直接、詳しいお話をお聞きすることができました。

構造計算、建築確認や他の行政の対応など、実務的に役に立つ情報を聞けました。

解説などは省きますが、まずは初日の街歩き。秋晴れです。

山形県金山町の中学校は、故・奥村昭雄東京藝術大学名誉教授の作品であり、代表の髙橋貴大がOMソーラーを知るきっかけとなった建築です。

つまり、浜松市に住み、浜松で設計事務所をやることになった大元ともいえます。
(OMソーラーは、浜松市が本社)

今回、念願叶って見学することができました。

竣工からちょうど30年を迎えて、建築としてはその半生まで来ている段階。

現地で、東京藝術大学名誉教授の益子義弘さんの解説を聞くことができました。

益子義弘さんとは、遠くフィンランドの地でご一緒させていただく機会があり、今回、改めてご挨拶させていただきました。

小さな家を考える人へ

小さな暮らしを小さな家でという実例です。

こちらは11坪の別荘ですが、平日は都市部で仕事をして、週末に行くという別荘でした。
それが徐々に手を加えて、外物置などを増築していき、十分ここだけの暮らしができるように、リタイアしてからの暮らしへと徐々に切り替えていくことができました。

ちなみにメインとなる建物はハーフビルドで建築して、付属する建物はセルフビルドしました。

人・建築設計所では、こうした小さな家を多く計画してきました。
たとえば、「22坪の母と娘の家」などでは高齢になった母との暮らしのために小さい土地ながら新築して、快適な暮らしを提供することができました。

また、先日発表した「TinyHouse15 concept」では、15坪で4人の暮らしを提供するとして計画しました。
これには相当なアクロバティックなことが必要かと思われるかもしれませんが、やはりそれはその通りでして、4人暮らしでは4坪追加した19坪のタイプをお勧めします。

さて、ではどれくらいの建物で住宅は満足できるでしょうか。
わかりやすく平屋で考えてみましょう。

LDKのダイニングを希望すると、この例のような3人暮らしで24坪程度の面積が必要となりましょう。
もっと小さく作ることも可能ですが、やはり収納の安心感や使い勝手でいくと、このあたりが秀逸のプランかと思います。

それでもゆとりが欲しいとなると、このような31坪となります。
ただ広さと機能が本当に必要なのか、考えると、小さな暮らしとは言えませんね。
まして予算がぐっとアップすることは確かです。

どう暮らすのが自分の理想なのか、、、。
まずはじっくりと考えてみてはいかがでしょうか。

その上で「プランニングが上手な設計事務所」にお任せください。
こんな設計は、メーカーではできません。

小さな家のすすめ

作品を見ていただくと大きな邸宅や豪邸が目立つかもしれませんが、小さな家をオススメします。

写真は、浜名湖花博2004で展示しました「タイニーハウス」(小さな家)です。週末農業に郊外へでかけて1泊し、また都市部にもどり生活するという、その暮らし方のすすめから静岡新聞賞をいただいた建物になります。設計を担当したのは、私、髙橋貴大で、企画・コンセプト作りから規格住宅化(キット化)までの全てを行いました。

さて実は、世界ではこうしたタイニーハウスが溢れています。これは髙橋が長崎県西海市の依頼でブランド化事業で発表した資料の一部。

週末農業用のラウベ(小舎)を遥かに超えて、その潔さがむしろ贅沢な空間となっています。こうしたブランド化を通じて考えたのは、小さいからこそ贅沢でリッチなものが作れるということ。

こうした小さな家こそ、生活を丁寧に見つめて必要なものだけで満たされ、モノに支配されない家づくりだと確信しました。
たくさんのものを収納しなければならなくなり、家は肥大化しました。江戸時代の長屋暮らしに戻る必要はありませんが、このミニマリズムを住宅でもおすすめします。

どんなものを求めるのかによって、建築は変わります。

住宅を建てるにあたって、あなたの本当の大切を見つめ直してください。

リノベーションとリフォームの違い2

リノベーションとリフォームの違いを内部の方でも確認してみましょう。

リフォームでは、間仕切りなどを変更せずに、キッチンの入れ替えや壁紙の張り替え、塗装などを行います。

リノベーションでは、植松町の家を例にしてみますと、狭い間取りを変更して、実際に広くするほか、窓の位置や大きさを変更して、視覚的にも広く感じさせるようにします。間仕切りを取り除くと構造に影響が出ますので、耐力壁の移設や強化など、構造計算をやり直します。併せて制振ダンパーなどを設置して、より地震に強くなるようにします。

また、新しい機能として、トレッドミルを置いた洗面室や、サウナを入れた浴室などを併設して、さながらスポーツジムを提案したり、それに伴う裏方のランドリールームと屋根付きの物干場を増築しました。

こうした新しい生活を想像することで、今までの現実から高い理想へとアップグレードするのです。

リノベーションとリフォームの違い

リノベーションとリフォームの違いは何かと聞かれることもあります。

リノベーションした植松町の家を例にして見てみますと、まず外観ではどこまで残すか、取り除くか、付け加えるかも含めて、機能を上げることを目的に変更をかけていきます。

例えば、ガレージが狭くて空間も低く使いづらかったので、その部分を撤去+新築して、使い勝手の向上と倉庫やランドリーから直接出れる屋根付きのデッキスペースを付加しました。

写真にあるように、内玄関側の駐輪スペースなどの機能向上なども行なっています。 さて一方、リフォームでは外壁を塗り替えるくらいでしょうか。

新築そっくりにはなるかもしれませんが、現実は変わらないのです。