木架構

人・建築設計所では、大規模木造(都市木造)の設計を行っています。

先日、野沢正光さんの記事でも触れましたが、大断面集成材を使った大規模木造のシステム化を開発していたことから、私どもは大規模な木造というのに対しての知識が揃っています。

そのような事務所であるため、一般的な設計事務所では取り組めないような、こうした設計もできるのです。

実は、いま現在も大規模木造の計画が進んでおります。

昨日ですが、木架構の打ち合わせを行い、プレカット加工会社が接合金物のカタログを持ってきてくださいました。
この中に実例が載っているものがあり、その1件が私どもの設計した物件が載っているとは、まさか思いもしてなかったと思います。

浜松市の設計事務所の中でも、全国的にも、先進的な設計事務所であることは、間違いない事実です。


そんな設計事務所が、住宅でも非住宅でもお役に立ちたいと思っています。
ハウスメーカーや、建設会社に不信感を持ってしまったお客様もご相談に乗ります。

モデュロール

毎週木曜日は、書棚から本を紹介します。

その記念すべき1回目の本は、ル・コルビュジェ著で吉阪隆正が訳した書籍です。
真っ黒な装丁のこの本は、SD選書という鹿島出版会の建築専門書。
270以上もあるSD選書の中でも、最も有名な本かもしれません。

建築を学ぶ学生は、教科書で必ずこの書籍のことを学びますが、実際にその本を読んだことのある学生は、一握りもいないかもしれません。

という私も、学生時代に購入し、かなり端折って斜め読みしていました。
特に大切な部分はこの辺り。
黄金比とフィボナッチ数列、人体や生物に隠された数列です。

さて、代表の髙橋はフィボナッチ数列が、その数とその前の数を足していくという特性を利用して、インフィル(内装)・システムの開発を行いました。
その開発したシステムを東京・三田の日本建築学会本部の入る建築会館で記者発表をしました。
そのことが載っている書籍もどこかにありますが、またそのうちに紹介します。

さてさて、そんな記者発表もあって、その原点となったモデュロールについて記事を書くというので、この書籍を貸してありました。

返却して来たメモの中に「長らく」と書いてあるように、下手すると20年以上も貸してあったような…。
夏みかんピール美味しかったんで、許してあげますよ。笑

蔵書について

人・建築設計所の新事務所に徐々に運び込んでる建築関連の本たち。このブログでも、紹介していけたらと思います。

蔵書は、代表・髙橋が学生時代から買い揃えたものはもちろん、きのくに子どもの村学園長の堀真一郎さんや、静岡大学の名誉教授の外山知徳さん、そして、名古屋大学名誉教授の平嶋義彦さんからいただいた書籍などもあります。

絶版本などもありますので、私どもの事務所に読書のためにお越しいただいても歓迎します。ホント将来的には、建築ブックカフェ的なものにできたら面白いなとも思っています。いろんな椅子を試せるようなカフェなんて素敵じゃないですか。そんなカフェやりたい方がいたら、お声がけくださいね。

さてさて、今日は書籍を大量に送ってくださった平嶋義彦さんのご紹介をします。代表の高橋とは、とある取材で平嶋さんの別荘を訪れたのが最初だったと記憶しております。

平嶋さんは構造家で、木構造の権威です。1998年、九州で開催された日本建築学会大会にて発表された氏の論文についてお聞きすることが目的で伺いました。専門的なお話しなので、詳しいことは割愛しますが、想像以上に素晴らしい見解を得ることができました。

別荘の建つ白州の「本当に」おいしい水をいただきながら、日本の伝統工法や古代の建築の話になったのも、楽しい思い出です。

その後、浜松市内で建築ゼミが開催され、全国から工務店など100社以上が集まりました。平嶋さんから基調講演があり、人類の歴史的背景や、近代〜現代の日本の建築、そして、これからの木造に期待することをお話しいただきました。

このあとの交流会では、平嶋さんと楽しく建築のお話できて、建築バカぶりをお互い発揮していた記憶が。笑

翌日、代表・髙橋から仕事の実例、設計のメソッド、そして、美しい架構(木組み)の仕組みをお話ししました。発表を準備していると、平嶋さんが「以前、名刺をもらったけど、もう一度もらえるかな」というので名刺を差し上げると、

「実は、ウチに建築の本がたくさんあるんだ。
 いろんな教授の退官記念のものや絶版のもある。
 それを若い世代に譲りたいと思っていたんだけど、
 良かったら貰ってくれるかな。」

一瞬耳を疑いましたが、すぐにその有り難さに気づき、鳥肌が立ちました。

後日、たくさんの書籍とお手紙が届きました。以来たくさんの書籍はいつか若い世代にという思いで私の元にいます。まずはうちの所員からと、このごろは毎朝、本を紹介しているのでした。