大谷石

人・建築設計所の設計に使われている大谷石。写真は、赤煉瓦と大谷石とのコンビネーションで、バイオ・エタノール・ストーブの暖炉を作りました。

国内の石材採掘は、輸入建材に押されたり、後継者不足から、廃坑閉山となり極端に減っています。

栃木県産の大谷石は、まだその中でも入手しやすいです。

ちなみに静岡県産の伊豆石は2003年ごろに調べた時には、切り出していないそうで、すでに入手困難でした。

さて、その大谷石。
設計の師匠をたどっていくと繋がります。

米国の建築家フランク・ロイド・ライトが来日して設計した旧帝国ホテル(明治村に玄関ホールが移築されている)の外壁や内装の石材とレンガのコンビネーション。

この石材こそが、大谷石なのです。

火に強く、暖炉などに適した材料。
味噌(石の中に混ざっている礫)がたくさんある部分が特に良いと、わが師匠から教わりました。

石を使う時には、その教えを思い出しながら、「大谷石」と図面に記入しています。

モノクロ暗室部

ブログ金曜日は、趣味の話にしようと思います。

代表の髙橋は、写真を長らくやっていまして、高校、大学と写真部でした。これは子供の頃からの父親の影響かと思いますが、実家には暗室があります。

写真はずっと続けていて、2005年に設計事務所を開設しながらも、実は写真の仕事も受けていました。友人の小学校の娘さんが運動会で走ってる姿も学校カメラマンとして撮っていたり(笑)。2011年ぐらいからは個展やグループ展に参加して、翌年から浜松市内にモノクロ暗室部を企画し、暗室を作りました。この写真は、その暗室です。

暗室では、フィルムももちろん自家現像します。モノクロフィルムは温度管理がしやすい上、プリントも比較的簡単なので、誰でも慣れたら、自分でこなせます。

それを今度は印画紙に焼きます。光による化学反応でできる画像は、ものすごく精細で、しかもモノクロという特性上、色に引っ張られない分、作品テーマがわかりやすいのが特徴。

ところが昨今、フィルムなどの価格が高くなって来ており、なかなか大変な状況です。若い人がフィルムを可愛いと言って始めたりしていますが、モノクロと暗室作業のディープなところまで来ないようです。

そんな絶滅危惧種のモノクロ暗室部ですが、毎年3回もグループ展を開催しています。2月にカフェ・アポロンさん、7月にカフェ・ブラウンさん、11月にクリエート浜松を借り切って開催しています。

また、年1回くらいにはなりましたが、お散歩撮影会に出かけています。昨年は、大井川鐵道からアプト式に乗りにいきました。今年は、滋賀の近江八幡と長浜を予定しています。

暗室作業、はじめてみたい方は、ご連絡ください。私どもの新事務所にも暗室がありますので、ご見学もどうぞ。

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〒433-8121 静岡県浜松市中区萩丘3-10-36 サンスタジオ2F

蔵書について

人・建築設計所の新事務所に徐々に運び込んでる建築関連の本たち。このブログでも、紹介していけたらと思います。

蔵書は、代表・髙橋が学生時代から買い揃えたものはもちろん、きのくに子どもの村学園長の堀真一郎さんや、静岡大学の名誉教授の外山知徳さん、そして、名古屋大学名誉教授の平嶋義彦さんからいただいた書籍などもあります。

絶版本などもありますので、私どもの事務所に読書のためにお越しいただいても歓迎します。ホント将来的には、建築ブックカフェ的なものにできたら面白いなとも思っています。いろんな椅子を試せるようなカフェなんて素敵じゃないですか。そんなカフェやりたい方がいたら、お声がけくださいね。

さてさて、今日は書籍を大量に送ってくださった平嶋義彦さんのご紹介をします。代表の高橋とは、とある取材で平嶋さんの別荘を訪れたのが最初だったと記憶しております。

平嶋さんは構造家で、木構造の権威です。1998年、九州で開催された日本建築学会大会にて発表された氏の論文についてお聞きすることが目的で伺いました。専門的なお話しなので、詳しいことは割愛しますが、想像以上に素晴らしい見解を得ることができました。

別荘の建つ白州の「本当に」おいしい水をいただきながら、日本の伝統工法や古代の建築の話になったのも、楽しい思い出です。

その後、浜松市内で建築ゼミが開催され、全国から工務店など100社以上が集まりました。平嶋さんから基調講演があり、人類の歴史的背景や、近代〜現代の日本の建築、そして、これからの木造に期待することをお話しいただきました。

このあとの交流会では、平嶋さんと楽しく建築のお話できて、建築バカぶりをお互い発揮していた記憶が。笑

翌日、代表・髙橋から仕事の実例、設計のメソッド、そして、美しい架構(木組み)の仕組みをお話ししました。発表を準備していると、平嶋さんが「以前、名刺をもらったけど、もう一度もらえるかな」というので名刺を差し上げると、

「実は、ウチに建築の本がたくさんあるんだ。
 いろんな教授の退官記念のものや絶版のもある。
 それを若い世代に譲りたいと思っていたんだけど、
 良かったら貰ってくれるかな。」

一瞬耳を疑いましたが、すぐにその有り難さに気づき、鳥肌が立ちました。

後日、たくさんの書籍とお手紙が届きました。以来たくさんの書籍はいつか若い世代にという思いで私の元にいます。まずはうちの所員からと、このごろは毎朝、本を紹介しているのでした。

省エネ講習会

プロの建設会社や工務店、大工さん、建築士なども、省エネ技術の勉強をしています。

国土交通省は、建築行政を管轄していますが、平成24年より10年間で「新築住宅の全てをエコ住宅にする政策」を展開しました。昨今の地球温暖化問題やCOP xxなどの世界的な流れに従ったのでしょう。

省エネルギー技術の中で、断熱や気密、透湿や防湿、計画換気は、ひとつ間違えると、建築の寿命を縮めてしまいます。たとえば、屋根の野地板の裏に木材が腐るときに出てくるキノコ類が繁殖していたという事例もあります。そのため、設計する人、施工する人、全てに正しく教えることがとても大切なワケです。

静岡県西部地域では省エネ住宅の開発をしていた経験から、私、人・建築設計所の髙橋が講師の一人に任命されており、毎年、講師を務めてきました。

住宅や商業建築を建てる際は、省エネルギーに留意するように法整備化もされてきています。建てる側にとっては、一時的にはコスト負担になると感じるかもしれませんが、長い間使うことを考えたチョイスをお勧めしています。

地震係数 z

初めてブログの記事を書くというのに、ちょっとヘビーな話から。写真は復興中の熊本城(2020年11月撮影)です。

建築基準法に、地震係数zというのがあります。2016年に被災した熊本、大分は0.9〜0.8。これは基準法の求める最低限の耐力を10〜20%下回ってもいいよというもの。

私の住む静岡県では、このzを1.2と定められていて、さらに条例でバラツキ係数1.1を掛けます。

1.2×1.1=1.32。つまり建築基準法の32%以上、丈夫に作りなさいと。これはきたる東海地震に備えてのもの。

また、品確法で定められた耐震等級というものがあります。最高ランクの等級3では、建築基準法と一概には比べられませんが、耐力を建築基準法の1.5倍以上を求められます。

先ほどの0.8と比べると、その差は1.875倍。

単純に必要な壁の長さが、10メートルだとすれば、18.75メートルになります。

何が言いたいかというと、地震係数zの低減、もうやめませんか?

Blogについて

建築を考える際に、有益な情報をブログ形式でアップしていきます。
過去に書いた記事なども含めて、カテゴリーで見れるように、少しずつ充実させていきますので、よろしくお願いいたします。

また、人・建築設計所では毎日、建築相談会を開催しておりますので、ご自身のタイミングで、お出かけください。

人・建築設計所の新事務所は、浜松市中区萩丘3−10−36サンスタジオ2Fです。百円ショップレモンさんのすぐ近く。「浜松市 サンスタジオ」で道案内が出ると思います。

お問い合わせは、090-7028-3945(髙橋)まで!