都市木造の可能性

浜松市内に現在建てている106坪の事務所

都市木造という言葉はまだ一般には耳馴染みがないですが、500㎡を超えない2階建てであれば、どの用途でも割合に木造でも建てやすい規模の建築をいいます。さらに大きなものは大規模木造ともいいます。

さて、この都市木造の規模は、街の至る所にあり、今まで建設会社が得意としていた規模で、どうしても彼らが得意な鉄骨造で安易に建てられていました。
しかし、そういった規模であれば、木造が一番コストも安くいく可能性もあり、国も森林資源の活用を考えて、補助金を使って誘導を行なっていたりもします。

しかし、この補助金にも良し悪しがあり、一概にそれを支持はしませんが、もし計画中の建物があれば、その計画を木造でできないか検討する価値はあります。

浜松市内の木造で作った工場兼店舗

例えば工場のように大空間であれば、柱を最小限に抑えたいとしても、こうした梁を使って作ることが可能です。コンビニや老人介護施設、医療施設などでも木造の採用率が上がっています。

事務所や事業所が木造と主張するかしないかは自由ですし、デザイン的にも鉄骨造のように見せることも可能です。

ストックホルム中央駅(1925年)も木造の集成材でつくられている

さて、木造が今世界的に注目されていますが、その歴史は古く100年前の木造の駅舎が残って現在も使われているのが、この写真のストックホルム中央駅。集成材現しに白い防火塗料を塗っています。

もっと言えば日本にはおよそ1300年前の世界最古の木造建築が残っています。この温暖多湿な島国でこれほどの期間残るということが証明されています。

唯一火災の心配がありますが、それは木造でも適切に設計・施工することで、むしろ鉄骨造の燃焼温度が上がった時に強度がなくなるという現象よりも、炭化層ができてそれ以上燃えずに強度が下がらない木造の方が、安全な燃え方なのです。

木造の技術、まだまだ面白い技術革新が出てくる分野です。注目して見てください。

山形県金山町を訪れて 1

山形県金山町で、先週木金と建築の集まりがあり、出掛けてきました。

まずは、建築家、都市計画家が関わり、100年先のまちづくりを目指し、すでに40年が経過しているという町並みを見学しました。

幸いにもガイドに元金山町職員で、中心となって動いていた西田さんがついてくれて、直接、詳しいお話をお聞きすることができました。

構造計算、建築確認や他の行政の対応など、実務的に役に立つ情報を聞けました。

解説などは省きますが、まずは初日の街歩き。秋晴れです。

山形県金山町の中学校は、故・奥村昭雄東京藝術大学名誉教授の作品であり、代表の髙橋貴大がOMソーラーを知るきっかけとなった建築です。

つまり、浜松市に住み、浜松で設計事務所をやることになった大元ともいえます。
(OMソーラーは、浜松市が本社)

今回、念願叶って見学することができました。

竣工からちょうど30年を迎えて、建築としてはその半生まで来ている段階。

現地で、東京藝術大学名誉教授の益子義弘さんの解説を聞くことができました。

益子義弘さんとは、遠くフィンランドの地でご一緒させていただく機会があり、今回、改めてご挨拶させていただきました。

小さな家のすすめ

作品を見ていただくと大きな邸宅や豪邸が目立つかもしれませんが、小さな家をオススメします。

写真は、浜名湖花博2004で展示しました「タイニーハウス」(小さな家)です。週末農業に郊外へでかけて1泊し、また都市部にもどり生活するという、その暮らし方のすすめから静岡新聞賞をいただいた建物になります。設計を担当したのは、私、髙橋貴大で、企画・コンセプト作りから規格住宅化(キット化)までの全てを行いました。

さて実は、世界ではこうしたタイニーハウスが溢れています。これは髙橋が長崎県西海市の依頼でブランド化事業で発表した資料の一部。

週末農業用のラウベ(小舎)を遥かに超えて、その潔さがむしろ贅沢な空間となっています。こうしたブランド化を通じて考えたのは、小さいからこそ贅沢でリッチなものが作れるということ。

こうした小さな家こそ、生活を丁寧に見つめて必要なものだけで満たされ、モノに支配されない家づくりだと確信しました。
たくさんのものを収納しなければならなくなり、家は肥大化しました。江戸時代の長屋暮らしに戻る必要はありませんが、このミニマリズムを住宅でもおすすめします。

どんなものを求めるのかによって、建築は変わります。

住宅を建てるにあたって、あなたの本当の大切を見つめ直してください。

リノベーションとリフォームの違い2

リノベーションとリフォームの違いを内部の方でも確認してみましょう。

リフォームでは、間仕切りなどを変更せずに、キッチンの入れ替えや壁紙の張り替え、塗装などを行います。

リノベーションでは、植松町の家を例にしてみますと、狭い間取りを変更して、実際に広くするほか、窓の位置や大きさを変更して、視覚的にも広く感じさせるようにします。間仕切りを取り除くと構造に影響が出ますので、耐力壁の移設や強化など、構造計算をやり直します。併せて制振ダンパーなどを設置して、より地震に強くなるようにします。

また、新しい機能として、トレッドミルを置いた洗面室や、サウナを入れた浴室などを併設して、さながらスポーツジムを提案したり、それに伴う裏方のランドリールームと屋根付きの物干場を増築しました。

こうした新しい生活を想像することで、今までの現実から高い理想へとアップグレードするのです。

リノベーションとリフォームの違い

リノベーションとリフォームの違いは何かと聞かれることもあります。

リノベーションした植松町の家を例にして見てみますと、まず外観ではどこまで残すか、取り除くか、付け加えるかも含めて、機能を上げることを目的に変更をかけていきます。

例えば、ガレージが狭くて空間も低く使いづらかったので、その部分を撤去+新築して、使い勝手の向上と倉庫やランドリーから直接出れる屋根付きのデッキスペースを付加しました。

写真にあるように、内玄関側の駐輪スペースなどの機能向上なども行なっています。 さて一方、リフォームでは外壁を塗り替えるくらいでしょうか。

新築そっくりにはなるかもしれませんが、現実は変わらないのです。

サマータイム

人・建築設計所では、実はサマータイムを導入しております。
通常の営業時間は、9:30〜18:00ですが、サマータイムでは8:30〜17:00、もしくは8:00〜16:30でもOKとしています。

お問い合わせやお仕事関係のお電話は、上記時間関係なく出れる時にはいつでも出ていますので、お気になさらずおかけください。

なぜサマータイムなのかというと、まだ暑くない時間に出て、早めに仕事を終わらせて、まだ夕方明るいこの時期を有効に使ってもらいたいからです。

例えば、カフェに行くのもよし、映画を見るのもよし、スポーツや趣味にも使えるわけです。

さて今日は、どこへ出かけようかな?

リノベ実践2

人・建築設計所は、2023年4月に新事務所をリノベーションでオープンしました。

今日は前回の物件探しから、いよいよリノベの準備に入る回です。
ちょうど今、大きな物件が動いており、更新が遅れてました!汗

さて、この空間が面白いということと、リノベ自由にOKということで決めたこの物件。
大家さんとなる建築写真家で有名な上田明さんとは、北海道釧路市のPLEAインフォメーションセンターの完成写真の撮影で出会い、浜松出身ということで、釧路から戻ってからは頻繁にお会いするようになり27年ものお付き合い。
なんとご子息の新築住宅の設計もさせていただきました。

さて、まずは物件のチェックです。これを「インスペクション」と言って、まずは目視でチェックします。これができる人を「インスペクター」と呼んでいます。

私も、もちろん専門家である一級建築士ですので、インスペクションを行えます。
余談ですが、大手インスペクションの企業様から、東海地区をまとめるインスペクターとしてお願いできないかとの話があったのですが、契約書に書かれている事項があまりにも身勝手だったので、お断りしたこともありました。

さてさて、この物件での一番の問題は、衛生設備関連でした。直す方法はあるのですが、本来こうした修繕は大家さんの負担となります。
とはいえ、全体にリノベをかけていくので、店子側での内装工事で直せるのではないかと考えました。

まずは大きさをチェックして、図面作成です。
今回は自分で内装を行うとしたので、材料費、家具費の算出と、専門業者へ依頼する部分の材工の費用を大まかに計算する必要があるので、図面はとても大切です。

(つづく)

バイク

金曜日は趣味の日です。モノクロ暗室部ジャズと来ていまして、今回はバイクとなります。

私、小学校の頃からバイクに興味がありまして、中学校ではお小遣いで月刊オートバイという雑誌を定期購読していました。

とはいえ、中学生ですから乗れません。
近所に住む「はとこ」がその頃、原付で遊ぶようになり、その後こっそり大型バイクを購入したのを垂涎の眼差しで見ていました。

高校になると、原付で通学するようになり、休日には好きな近所の峠を登ったり、好きな滝を見に出かけるようになりました。
自然と峠道を走ることで、ギア付きのバイクを乗りこなせるようになっていきました。

社会人になり、ハーレーに乗りたくなって大型の免許を取得。
やはりバイクを安全に保管したくなり、バイクガレージのある家を作りました。

設計事務所として、独立をしてからも同じバイク乗りのためにバイクガレージ単体の仕事も受けたり、バイクガレージのある新築を多く手がけるようになりました。

そうこうしていると、車のガレージのご依頼も来るようになり、雑誌「ガレージのある家」の常連となっていったわけです。

バイクジャーナリストの小林ゆきさんも、そんなバイクガレージを取材に来てくださいました。
小林ゆきさんとは、マン島TTでお会いしたのがきっかけで、誕生日も同じ日でバイク仲間となり、鈴鹿8耐やモーターサイクルショーなんかでも現地で立ち話することも度々あります。

また、ここ浜松ということもあり多くのバイク関係者の方とも、つながっています。

さてさて、愛車紹介となりますが、KTMのRC390に乗っています。

愛車歴も思い出しながら書いてみますと、、、

・SUZUKI GN50E
・Harley-Davidson SPORTSTAR 883R
・Piaggio Beverly 250
・DUCATI Multistrada 1000DS
・SHERCO 2.9
・YAMAHA SEROW 250
・KTM DUKE390
・HONDA ADV150
・KTM RC390

こうして書いてみますと、趣味がバラバラで笑ってしまいますね〜。
2台持ち、3台持ちの時ももちろんありまして、遊ぶバイク、通勤用バイク、ロングツーリングなど、用途別に持っていました。

そんな趣味が高じて、今年は浜松にKTMのショールーム(川島モータース元浜さん)の設計をさせていただくことができて、私としては楽しいものが繋がったと思っております。

木架構

人・建築設計所では、大規模木造(都市木造)の設計を行っています。

先日、野沢正光さんの記事でも触れましたが、大断面集成材を使った大規模木造のシステム化を開発していたことから、私どもは大規模な木造というのに対しての知識が揃っています。

そのような事務所であるため、一般的な設計事務所では取り組めないような、こうした設計もできるのです。

実は、いま現在も大規模木造の計画が進んでおります。

昨日ですが、木架構の打ち合わせを行い、プレカット加工会社が接合金物のカタログを持ってきてくださいました。
この中に実例が載っているものがあり、その1件が私どもの設計した物件が載っているとは、まさか思いもしてなかったと思います。

浜松市の設計事務所の中でも、全国的にも、先進的な設計事務所であることは、間違いない事実です。


そんな設計事務所が、住宅でも非住宅でもお役に立ちたいと思っています。
ハウスメーカーや、建設会社に不信感を持ってしまったお客様もご相談に乗ります。

リノベ実践1

人・建築設計所は、2023年4月に新事務所をリノベーションでオープンしました。

2022年11月にスタートした新事務所の計画は、まずは物件探しです。
土地の購入、建物や部屋の賃貸、シェアオフィスなど、検証しながら進めました。
例えば、土地の購入では、建物の建設に時間がかかりすぎるので、プレハブのオフィスを置いて、徐々に新築するなど検討していました。

そんなことで2ヶ月ほど検索や問い合わせなど具体的に進めていたところ、2023年1月に旧知の建築写真家の上田明さんに、Macの具合を見て欲しいと言われて出かけ、ふと頭に「スタジオの2階が以前事務所で貸してた」ということを思い出しました。
ダメもとで「上の事務所って空いてる?」と聞くと、空いてるというので、早速見せてもらいました。

荷物こそあれ、空間が面白いし、何よりリノベの許可も得られたので、これはお願いするしかないと確信しました。
(つづく)